魔王 <伊坂 幸太郎さん>

2009年3月1日「魔王」(文庫本)を読みました。

  • 感想 <魔王>

    • 「魔王」
      この本を読むのは二度目。

      前回読んだときは、終わり方の余韻に感動した。
      そして、その後「魔王」の続編でもある「モダンタイムス」を読み、
      再度、この「魔王」を読むと、また違った感動があった。

      あの余韻はモダンタイムスへと引き継がれていた。
      それをわかった上で、改めてこの本を読むと、
      安藤兄弟の力強さが、より伝わってきた。

      「魔王」とは、一体誰なのか、考えさせられる。


  • あらすじ <魔王>

    • 「魔王」と「呼吸」というふたつの物語。
      「魔王」は、安藤・兄の物語、「呼吸」は、安藤・弟の物語。
      主な登場人物
        安藤(兄)
        潤也(弟)
        詩織(潤也の彼女)
        犬養首相 
      安藤・兄は、自分の念じた言葉を人に言わせることができる能力、
      安藤・弟は、じゃんけんに必ず勝つという能力を持つ。

      国民から圧倒的支持を得る政治家・犬養を見ながら、兄弟は思う。
      これでいいのか、考えろ、考えろマクガイバー!と考える兄。
      このままでいいのか、何かを起こそうとする弟。


  • 好きな言葉 <魔王>

    • 「魔王」を読んだ。
      この小説の中にも、いい言葉だなぁと思うフレーズがたくさんあった。
      それを、ここに残しておきたいと思う。

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      P36
      「人間の進化の最大の武器は好奇心だ」

      安藤(兄)が、弟・潤也と潤也の彼女・詩織に言ったことば。



      確かに!好奇心は大事だと思う。
      もし、人間から好奇心がなくなったら、暮らしも楽しくないだろうな。
      その好奇心を「武器」と表現するところが、カッコいいなー。


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      P301
      私の声は、広げた真っ白の紙に、
      不格好な小石をぼそっと落として
      皺を作るような響きがあった。


      うわーっ、この表現、このたとえ。すごい。
      わたしなんかには、絶対思いつかないフレーズだわ。
      しんとした夜の会話での声に、ぴったりよね。さすが伊坂さん!


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      P304
      潤也君は、記憶の歯車を手動で回転させはじめたのか
      しばらく無言の間が入り・・・・(省略)


      この表現もうなった。うまいよねー。
      じっくり、でも正確に、記憶をたどっている様子の潤也君。
      その様子が目の前に見えてくるようだ。


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      心を豊かにしてくれる伊坂幸太郎さんの言葉集*名言「本棚のしおり」はこちらです

  • 作品間リンク <魔王>

    • 「魔王」を再読。「作品間リンク」 を考える。
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      (1)P62

      ごく普通の居酒屋だった。「天々」という名前の全国チェーンで、
      (中略)サラリーマンには人気がある。



      居酒屋「天々」は、「チルドレン」や「陽気なギャングの日常と襲撃」にも出てくる。

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      (2)P163

      ・・・・(中略)
      資材管理部の千葉という男について、どんな男なのか
      訊ねてみるかな、などと思った。


      千葉は、「死神の精度」「死神の浮力」に出てくる死神。
      死神の調査は一週間かけて行われ、「可」の報告をした場合は死が実行される。
      そして、その実行を見届けることによって、仕事を終了したこととなる。


      安藤が犬養の演説の場所へ行ったとき、資材管理部の千葉君がいた。(P211)
      そのとき、空は黒い雨雲で覆われていた。ということは、千葉は仕事中なのか?

      俺の顔を見て安心したのか分からないが、
      一仕事を終えたような顔つきで彼(千葉)は退いた。 (P211)

      ということは、千葉は安藤を調査していたということか?
      そして「可」の報告をして、最後の見届けに来たのだろうか。



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      (3)P168

      田中選手の足を刺して、動けなくしてから、心臓を刺した。」


      オーデュボンの祈り
         足が悪く、代書の仕事をしている、鳥が好きな男。
      陽気なギャングな地球を回す」   
           どんな鍵でもをつくってくれる男
      グラスホッパー」           
           杖をついているホームレス
      モダンタイムス」            
           脚を少し引き摺るようにしていたゴッシュのシステム管理者
      ゴールデンスランバー」            
           足を骨折して入院している患者
      SOSの猿
          発注ミスをした菩薩証券男

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  • 単行本 <魔王>

    • 魔王

      魔王

      出版社  講談社 
      発売日  2005年10月20日

  • 文庫本 <魔王>

    • 魔王

      魔王

      出版社  講談社(講談社文庫)
      発売日  2008年09月12日

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