フィッシュストーリー <伊坂 幸太郎さん>

2009年3月28日「フィッシュストーリー」を読みました。

  • <フィッシュストーリー>

    • <フィッシュストーリー>感想

      映画を見てから、この本を読んだ。
      読むまで、短編だということを知らなかった。
      今まで見た映画の場合、「よくぞ、長編を2時間にまとめてくれた」と思ったけど
      今回は、逆に、「よくぞ、この短編を上手に話をふくらませてくれたな」と感じた。

      映画と原作では、多少、設定や人物に違いはあるけど全然、違和感がない。

      伊坂さんの小説には、よくミュージックが出てくる。
      この小説も、「ミュージック」が大事な柱のひとつだと思う。
      わたしは、映画を観た後で、この小説を読んだため、読みながら、音が聴こえてきた。

      もし、映画を観る前に読んでいたなら、わたしは、どんなミュージックを想像しただろう。


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      <フィッシュストーリー>あらすじ

      *正義の味方とミュージックの話

      「僕の孤独が魚だとしたら、そのあまりの巨大さと獰猛(どうもう)さに、
      鯨でさえ逃げ出すに違いない」

      という小説の一説があるという。
      この一説を歌詞にしたバンドがいた。
      そして、そのレコードには、どういうわけか無音の部分がある。

      その無音の部分のせいで、正義感を発揮する男がいた。
      そして、その男は、息子を正義の味方に育て上げた。



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      <フィッシュストーリー>好きな言葉

      P133
      「彼が言うには、大事なのは、職業や肩書きではなくて、
      準備だ、ということらしくて」


      「(正義の味方になるためには)、
      強い肉体と、動じない心、それを身につける準備こそが、必要だ、と」・・・・と本文は続く。



      そうそう!何事も、準備は大事だと思う。
      準備がしっかりしていれば、本番はスムーズに運ぶはず。


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      P143 「礼なら父に」

      p167「お礼は、その人のお父さんに」


      正義の味方を育てたのはお父さんだから。
      でも、そのお父さんに感謝する息子に育てたっていうのが、お父さん、偉いよ!って思う。




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      <フィッシュストーリー>作品間リンク

      「老夫婦」
      P136
      ハイジャック事件の起きる飛行機内で橘麻美に話しかける老夫婦



      ラッシュライフ
        黒澤の財布を奪おうとする老夫婦強盗のふたり



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      2009年3月20日(金) 映画*フィッシュストーリーを観に行きました。
      映画の感想は、ブログ「Reading History」に書いておりますので、
      どうぞ、そちらもご覧くださいませ。

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      心を豊かにしてくれる伊坂幸太郎さんの言葉集*名言「本棚のしおり」はこちらです

  • <動物園のエンジン>

    • <動物園のエンジン>感想

      「動物園に行こう。休日をライオンと」

      動物園のエンジンである永沢が、
      ほんとに、彼が動物好きなことが、動物たちにもわかるのだろう。
      彼がいると、生き生きとしてくる動物たち。
      そんな動物と一緒に休日を過ごしてほしいと思う永沢。

      動物園に行くと楽しくなるような気がしてくる。


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      <動物園のエンジン>あらすじ
      *彼がいると動物園にエンジンがかかったようになる

      元動物園の職員・永沢は、夜の動物園で、シンリンオオカミの檻の前で寝そべっている。
      そんな彼を、恩田は「彼は動物園のエンジンだ」と言う。

      その動物園のエンジンなる永沢の奇妙な行動の理由を探る、憶測ゲームを始める。


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      <動物園のエンジン>好きな言葉

      P39
      「あの子は外出ができない。
       唯一の楽しみはあそこから、外を眺めること」

      「何をだ」

      「世界ですよ」


      足が不自由で、病気がちの少年は、いつも窓から外を眺めている。
      何を眺めているのかというと、単に風景を見ているのではなく
      「世界ですよ」というシーン。



      きっと、そうに違いない。
      少年は、目に入ってくる風景から、いろんな世界を想像し、世の中の動きを感じているのだろう。



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      <動物園のエンジン>「作品間リンク」

      「伊藤」(主人公「私」の同級生)

      P42 
      私の記憶によれば確か、その後しばらくして、伊藤は会社を辞め、
      コンビニエンスストア強盗などをやらかして警察に逮捕された。



      オーデュボンの祈り
        コンビニ強盗に失敗をして逃走。気がついたら荻島にいた、主人公の伊藤。

      ラッシュライフ
        画廊に出入りしていた額屋

      重力ピエロ
        青葉山の橋で、泉水と話をする青年



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      「河原崎」(主人公の「私」の大学時代の先輩)
       
      P13
      後に河原崎さんがビルの屋上から飛び降り自殺をし・・・(以下省略)



      ラッシュライフ
        ビルの17階から飛び降り自殺をする



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      「レッサーパンダ」

      P16
      前まであそこにレッサーパンダがいたんで、その時の看板ですよ



      アヒルと鴨のコインロッカー
        動物園からレッサーパンダを盗むきょうだいの話が出てくる。



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  • <サクリファイス>

    • <サクリファイス>感想

      伊坂さんファンの中には、「黒澤ファン」も多いと思う。
      その黒澤がメインで登場する「サクリファイス」は、それだけでもわくわくする。



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      <サクリファイス>あらすじ
      *小暮村には「こもり様」という風習がある

      「サクリファイス」とは、生贄(いけにえ)という意味だ。
      その生贄を差し出す風習があったという小暮村へ向かう黒澤。
      探偵・黒澤が依頼された人探し、「山田」という男が
      どうやら、その村にいるらしい。



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      <サクリファイス>好きな言葉
      P67
      お金よりもね、何かこう人生のうちで一度くらい、
      やったね、とか言ってやりたいじゃないですか

      売れない芸術家を夫に持つ妻・花江の言葉。



      人間誰しもそうだと思う。
      人生のうちで一度くらい「やったね」と、言われてみたいものだろう。
      ただ、この小説では、花江は、自分自身が言われたいのではなく、
      芸術家の夫に、その言ってやりたい、と思う。
      その気持ちが叶うといいなと思う。



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      <サクリファイス>作品間リンク

      「黒澤」(主人公)



      ラッシュライフ
        プロの泥棒

      重力ピエロ
        探偵として泉水やその父親から依頼をうける。
        本業は泥棒であり、葛城の家に泥棒に入る

      「ポテチ」(フィッシュストーリー)
        空き巣の今村に頼られる泥棒


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      「佐々岡」
      P115 
        ただ、学生時代の友人が、銀座の画廊で働いていたことがあったため
        その伝手を利用すればどうにかなるかもしれないな・・・(以下省略)



      これは、きっと佐々岡のことだと思う。

      ラッシュライフ
        黒澤の学生時代の友人



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      「老夫婦」
      P68
        反射的に、以前、遭遇した老夫婦強盗のことを思いだした。
        (黒澤が思い出した老夫婦)


      ラッシュライフ
        黒澤の財布を奪おうとする老夫婦強盗のふたり



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  • <ポテチ>

    • <ポテチ>感想
      この本は、4編の短編が収められているが、
      その中の「ポテチ」も、わたし好みの小説だ。

      ビルから飛び降り自殺を図ろうとする女に対して
      「キリンに乗って俺がそっちへ行く。
      見たいだろ?ビルの屋上にキリンだよ。
      俺なら見てから死ぬね」 (p179) というシーンがある。

      いいなー、こういうの。
      笑ってしまうセリフだけど、なんか熱い気持ちがこみあげる。



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      ポテチ<あらすじ>
      *見習泥棒今村と母親との愛の話

      ポテチ・・・ポテトチップスのことだ。

      大西は、「コンソメ味」のポテチを買ってきてと頼んだのに
      今村は「塩味」のポテチを大西に渡した。

      そして、大西は言った。

      「塩味も食べてみたら意外においしいから」
      「間違えてもらってかえって良かったかも」
      今村は、無言で泣きじゃくった。
      この部分だけを読んだ時は、なぜ、今村が泣きじゃくるのかわからない。
      でも、最後まで読むと、このシーンが改めてジーンとくる。




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      <ポテチ>好きな言葉

      P285 「嘘つきは泥棒のはじまりだから」

      この言葉を泥棒の黒澤が言うところがいい




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      <ポテチ>作品間リンク

      「今村 忠司」(主人公)



      ラッシュライフ
        黒澤に郵便局強盗を一緒にやろうともちかける

      首折り男のための協奏曲(月曜日から逃げろ)
        大西若葉の話の中に「今村」が出てくる。



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      「中村親分(専務)」今村忠司の親分。親分と呼ばれるのを嫌がったため「専務」となる


      ラッシュライフ
        タダシの上司

      月曜日から逃げろ」(首折り男のための協奏曲)
        空き巣の黒澤に情報を提供する、同業者の中村は中村親分(専務)のことと思われる。
        



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      「黒澤」 空き巣の今村に頼られる泥棒



      ラッシュライフ
        プロの泥棒

      重力ピエロ
        探偵として泉水やその父親から依頼をうける。
        本業は泥棒であり、葛城の家に泥棒に入る

      「サクリファイス」(フィッシュストーリー)
        探偵として、山田という男を探しに小暮村へ行く




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      「大西 若葉」

      P232
      大西は(中略) 寝そべり、床に耳をつけた。ひんやりとした感触が心地良い。
      地面に耳をつけ、そこから伝わる音や響きを確かめるのが、大西は子供の頃から
      好きだった。



      オーデュボンの祈り
        地面に寝転がってドンドンという心臓の音を聞くのが好きな10歳くらいの女の子。




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      「泉水」

      黒澤がDNA鑑定の依頼をするのが、泉水と思われる。
        P316 「以前、仕事の関係で知り合った相手がそういう会社で働いているからな」
       


      重力ピエロ
        DNA鑑定の会社に勤務している




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      「広辞苑」

      P276 
       「本屋?」
       本屋に行って広辞苑を盗むわけでもあるまいし、と大西は思う。



      アヒルと鴨のコインロッカー
        河崎は、隣に越してきた大学生の椎名に「書店を襲って広辞苑を盗もう」と誘う




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      2012年5月12日(土) 映画*ポテチを観に行きました。
      映画の感想は、ブログ「紙飛行機文庫」に書いておりますので、
      どうぞ、そちらもご覧くださいませ。

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  • 単行本 <フィッシュストーリー>

  • 文庫本 <フィッシュストーリー>

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