重力ピエロ <伊坂 幸太郎さん>

2009年4月12日「重力ピエロ」(文庫本)を読みました。

  • 感想 <重力ピエロ>

    • ホント、伊坂さんって物知りだなぁと、今さらながら感心。
      登場してくる人物たちのせりふが、
      いろんなところからの引用だったり、比喩だったり。
      それでいて、知識をひけらかすような人物ではなく、
      どのせりふもスマートなところがカッコいいなあ。

      伊坂さんの作品に登場する人物は、どの人も魅力的だけど
      「重力ピエロ」の泉水・春の兄弟の関係も、すごく魅力的だった。
      そして、その両親もまた魅力的で、
      この父、この母に育てられたからこその兄弟だろうなぁ。


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  • あらすじ <重力ピエロ>

    • 春は、母親がレイプされた結果に生まれた。
      大人になった春は、落書きを消す仕事をしている。
      その兄の泉水は、遺伝子を扱う会社に勤務している。

      この小説のキーワードは「遺伝子」かもしれない。

      落書きと連続放火事件の関連に気がつく春。
      その落書きが遺伝子と関係があるのではないかと推理。
      その後、あるルールに気がつく父親。

      「ふわりふわりと飛ぶピエロに重力なんて関係ない」と言った母。
      「楽しそうに生きていれば、地球の重力なんて関係なくなる」と言った父。
      その両親に育てられた兄弟の想いは、同じものがある。


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  • 好きな言葉 <重力ピエロ>

    • 再読の「重力ピエロ」。
      この小説の中にも、いい言葉だなぁと思うフレーズがたくさんあった。
      それを、ここに残しておきたいと思う。


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      「どんな事柄にも意味があると思うのは、
       人間の悪い癖だよ。原因を探そうとするんだ」

      そうかもしれない。
      春のせりふによると、犬や猫は結果しか興味がないそうだ。

      原因や意味を求めることも大事かもしれないけど
      それより、結果を重視して、これからどうするかを、もっと考えるべきなのかもしれない。



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      P344
      「父は神に意見を求めた。
       自分で考えろ!というのが神様からの返事だった。」

      いいなー、こういうの。
      神様に頼る気持ちになることもある。
      でも、やっぱり、最後は自分が決めなきゃいけない。
      そのためにも、自分で考えなきゃ。
      いい神様だねー、それを教えてくれるなんて。


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      心を豊かにしてくれる伊坂幸太郎さんの言葉集*名言「本棚のしおり」はこちらです

  • 作品間リンク <重力ピエロ>

    • 「重力ピエロ」を再読。
      この小説にも「作品間リンク」がたくさんある。


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      「泉水」
       春の兄。DNA鑑定の会社に勤務している。


      「ポテチ」(フィッシュストーリー
       黒澤の依頼でDNA鑑定をする。



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      「春」
       泉水の弟。落書きを消す仕事をしている。


      死神の精度
       駐車場のブロック塀に落書きをしている時に千葉と出会う。




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      「黒澤」
       探偵として泉水やその父親から依頼をうける。
       本業は泥棒であり、葛城の家に泥棒に入る。


      ラッシュライフ
      「サクリファイス」(フィッシュストーリー) 
      「ポテチ」(フィッシュストーリー

       泥棒だったり、探偵だったりする黒澤。




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      「仙台東ビジネスホテルのフロントの男」
       軍隊経験のありそうなフロントマン


      死神の精度
       退役軍人のような姿勢の良さの初老のフロントマン




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      「伊藤」

       青葉山の橋で、泉水と話をする青年


      ラッシュライフ
      オーデュボンの祈り
      「動物園のエンジン」(フィッシュストーリー


       額屋のアルバイトだったり、システムエンジニアだったり、コンビニ強盗を起こしたりする伊藤。




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      「高橋」
       泉水が高橋のことを思い浮かべる。


      ラッシュライフ
       河原崎、塚本の崇拝する宗教団体の教祖

      「動物園のエンジン」(フィッシュストーリー
       後に恩田は新興宗教にのめりこむとあるが、 この宗教の教祖が高橋と思われる。




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      「神様のレシピ」と「案山子」
       青葉山で出会った青年・伊藤が、
       「案山子」と「神様のレシピ」の話をする


      オーデュンの祈り」 「ラッシュライフ」「グラスホッパー」でも、この話は出てくる。




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      「田村蕎麦主人」
       落書きの被害にあった蕎麦屋の主人


      アヒルと鴨のコインロッカー
       椎名に交差点で声をかける蕎麦屋の主人



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  • 単行本 <重力ピエロ>

    • 重力ピエロ

      重力ピエロ

      出版社  新潮社 
      発売日  2003年04月

      ¥1,575(税込)

  • 文庫本 <重力ピエロ>

    • 重力ピエロ

      重力ピエロ

      出版社  新潮社(新潮文庫)
      発売日  2006年6月日28日

      ¥704(税込)

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