首折り男のための協奏曲<伊坂 幸太郎さん>

「首折り男のための協奏曲」内のリンクを探ってみました。ネタバレ注意

  • 「真面目」と「浮気」 <首折り男のための協奏曲>

    • 7編すべてに共通するキーワードは
      「真面目」と「浮気(または不倫)(または内緒の恋)」かもしれません。
      それぞれの話の中にその言葉が出てきますから。

      「首折り男の周辺」
         ●真面目で平凡な生活を送ってきた。若林順一はそう思う。             P8
         ●若林順一は…(中略)浮気に勤しんだ時期があったが、それも結局性に合わなかった。P8

      「濡れ衣の話」
         ●私はいかんせん、冗談も苦手なタイプですから                  P66
         ●俳優と見紛うばかりの優男がやってきて女の肩に手を置き「じゃあ、また今度な」
          と挨拶をし、立ち去っていく(中略)女は少しばつが悪そうではあったが(略)   P69

      「僕の舟」
         ●毎日、お茶を汲んで、真面目に仕事をしているだけだったから          P114
         ●若林絵美は、寝たきりの夫には内緒で昔の恋人の行方調査を黒澤に依頼する    P98

      「人間らしく」
         ●(妹は)根が真面目で優しいからね、困りはしても、できる限りのことはしたわけ P137
         ●さらに高校生活も真面目に過ごした彼は、やがて国公立の医学部へ進み      P169
         ●「真面目で好感が持てますね」と窪田は感動していた。             P170
         ●旦那のほうはどうしていたかといえば、よそに親しい女性を作り、
          不倫活動
      に勤しんでいた。                          P138

      「月曜日から逃げろ」
         ●店の得意客は、真面目で誠実な店主を支持する人間が多かったんだろうな     P202
         ●「私、風来坊なところがあるから、家にはめったに帰らず
          「普段は、若くて綺麗なのところにか」                   P186

      「相談役の話」
         ●磯部は優秀な男だったんだけどな、力を持つ役員たちよりも、社員たちの側に立って、
          物を考える男だったんだよ。
          (中略)そういう人間は嫌がられる。真面目すぎるんだ。             P234
         ●「それとこっちにがいてな」と彼は笑う。(中略)
          彼に妻子がいることは知っていたが、もはやそのことに触れる気持ちにもなれなかった。 
                                                P226
      「合コンの話」
         ●佐藤さんは生真面目で、地味な印象だったから                 P313
         ●わたしの不倫について、加藤さんと法子ちゃんは知っている           P300  
         ●浮気をするような女は良くないよ                       P313 
                                   

  • 目次順リンク <首折り男のための協奏曲>

    • この本の目次では、それぞれの短編が次の短編へつながることを意味するように、指さしマークが描かれています。そこで、目次順につながりのある部分を探ってみました。

      「首折り男の周辺」→「濡れ衣の話」
         ●「首折り男の周辺」 首を折る殺人犯人・大藪          P48~P49
         ●「濡れ衣の話」   田中という刑事を名乗る男は女の首を折った P85

      「濡れ衣の話」→「僕の舟」
         ●「濡れ衣の話」   時空のねじれ分岐点           P87~P88
         ●「僕の舟」     時空がねじれる・人生の分岐        P97

      「僕の舟」→「人間らしく」
         ●「僕の舟」     夫の介護をする妻
         ●「人間らしく」   義父の介護をする嫁

      「人間らしく」→「月曜日から逃げろ」
         ●「人間らしく」   チャップリンの「消防夫」馬がバックするシーンは逆回し P144
         ●「月曜日から逃げろ」チャップリンの「給料日」レンガ積みのシーンは逆回転  P216
          
      「月曜日から逃げろ」→「相談役の話」
         ●「月曜日から逃げろ」仙台で浮気をしている東京在住の制作プロダクションの男 P196
         ●「相談役の話」     仙台で浮気をしている、父親の後を継いだ東京在住の男  P226

      「相談役の話」→「合コンの話」
         ●「相談役の話」   彼女が関心を抱く舞台劇団の二枚目俳優に似ている   P242
         ●「合コンの話」   ファンの多い俳優・佐久間覚             P277

  • キーワードリンク <首折り男のための協奏曲>

    • いくつかのキーワードについてリンクを探ってみました。

      「キャッチボール」
         ●「首折り男の周辺」 P39
         ●「濡れ衣の話」   P87

      「秘密の暴露」
         ●「首折り男の周辺」 P25
         ●「濡れ衣の話」   P89

      「君の名は」
         ●「首折り男の周辺」 P42
         ●「僕の舟」     P115

      「バランス」
         ●「濡れ衣の話」   P67
         ●「相談役の話」   P241
         ●「合コンの話」   P302

      「時空のねじれ」
         ●「濡れ衣の話」   P87
         ●「僕の舟」     P97
         ●「人間らしく」   P160

      「クワガタ」
         ●「人間らしく」   P143
         ●「相談役の話」   P240

      「ミスター」
         ●「濡れ衣の話」   ミスター火に油    P69   
         ●「相談役の話」   ミスター注目の的   P254



  • 首折り男の事件リンク <首折り男のための協奏曲>

    • この本のタイトルになっている「首折り男」の事件について探ってみました。

      「首折り男の周辺」
         ●殺害された被害者には、俳優どころか、刑事もいた              P25
         ●首を折られちゃった被害者の中には、昔、子供を轢いちゃった人もいるらしくて P25
         ●港近くの倉庫脇で、ある棋士が殺されていたというやり切れないものだった。
          (中略)首の骨が折られているため、ほかの事件との関係が強調されている。   P41

    • これらの事件について、他の物語から探ってみました。

  • 「濡れ衣の話」
       ●あの警察手帳をどこで入手したのかは、言っても楽しくないだろうからやめて
        おくよ。本物だということは間違いない。
        → 首折り男は、刑事の首を折って殺害したものと思われます。        P87

       ●この女の死体は、俺が引き受けるから                     P89
        俺が殺害した人間がここで一人増えたところで、さほど違いはない。      P90
        → 丸岡直樹は子供を車で轢いて命を奪った女を殺害してしまいました。
          首折り男は、自分がやったことにすると言います。
        
    「合コンの話」
       ●俳優の佐久間覚は、首の骨を折られて殺される                P277
       ●雑貨店主の加藤に、モデルの仕事をしている客の女は涙を浮かべて話します。
        「初めて付き合った男が(中略)棋士だったんですよ。本当にひどい、屈辱的な
        ことをさせられて、捨てられちゃって」
        その時点でわたし(加藤)は怒りを覚えていた。そのような男は許せない。
        将棋の最中に駒が、たとえば香車あたりが飛び、男の首でも刺してくれないものかと、
        と願いたくなるほどだ。                          P285
        → 首折り男が棋士の首を折って殺害したかどうかは不明ですが、関連がありそうです。

    ピアノリンク・大藪編 <首折り男のための協奏曲>

    • この本のタイトルになっている「協奏曲」にあるように「ピアノ」もキーワードのひとつだと思い
      「ピアノ」と大藪について探ってみました。

      「首折り男の周辺」
         ●首折り男の大藪が死んでいる室内の状況                    P49
         
          CDが繰り返し再生されているらしく、ピアノがぽつりぽつりと、美しい滴を
          垂らすように、鳴っていた。近くに置かれているケースには、男のピアニスト
          映っている。それから、大藪の横顔を見ると、心なしかピアノに耳を傾けながら
          眠るようでもあった。

      「合コンの話」
         ●首折り男の大藪亮と吉田靖が交わしたメール                 P297
         
          「来る前にピアノコンサートのポスターを見かけた。百年に一人の天才らしい」
          「せいぜい、CDで聴くのが精いっぱいじゃないか」
          「CDでもいい」
          「いつか聴けるだろうよ。死ぬまでには。おまえが死ぬ時にはどこからか聞こえるさ

          →首折り男の大藪は、百年に一人の天才ピアニストのピアノのCDに耳を傾けながら
           死んでいったようです。

  • ピアノリンク・黒澤編 <首折り男のための協奏曲>

    • この本のタイトルになっている「協奏曲」にあるように「ピアノ」もキーワードのひとつだと思い
      「ピアノ」と黒澤のリンクについて探ってみました。

      「僕の舟」
         ●すごい体験をしたと、黒澤が若林絵美に話す                P114
          
          「日常とは違う体験と言えば、俺にもある。思えばあれも銀座だった」
          「へえ、小判でも?」
          「前に夜の銀座で、楽器店に立ち寄ったんだがな、そこで」
          「そこで?」
          「すごい音楽が」
          「何それ」
          黒澤の口のまわりの縫い目を綻ばせるようにし、「もったいないから内緒だ。
          あれはすごい体験だった」と言う。

      「合コンの話」
         ●天才ピアニストの佐藤さんが楽器店のピアノを弾きはじめた。        P315
         
          もう一人、少し離れている場所には、黒のジャケットを着た、年齢不詳の男がいて
          目を見開いていた。静かな佇まいだったが、感動しているのは間違いない。口元を
          綻ばせた
      のも分かる。

          → 合コンメンバー6人の男女の近くに黒澤さんもいたようです。