アイネクライネナハトムジーク

2014年10月04日「アイネクライネナハトムジーク」を読みました。

  • 感想 <アイネクライネナハトムジーク>

    • 【このページはネタバレを多く含みますので、未読の方はご注意ください】

      ----------------------------------------------------------------------------------------
      「アイネクライネナハトムジーク」
      この本の帯には、こう書いてあります。

      -------------------------------------------------------------
       ごく普通の人たちが巻き起こす、小さな奇跡の物語。
      -------------------------------------------------------------

      わたしには、伊坂幸太郎さんが奇跡を起こしてくれたように思いました。

      あとがきによると、
      ミュージシャンの斉藤和義さんから作詞を依頼されたことから始まったという
      「アイネクライネ」と「ライトヘビー」の2話。
      そこから膨らんだ「ドクメンタ」「ルックスライク」「メイクアップ」の3話。
      これらの5話は、すでに発表されているお話です。
      そこに、最後の「ナハトムジーク」の書き下ろしが加えられたのが、この本です。

      この6話目の「ナハトムジーク」が、伊坂さんが起こした奇跡だと感じるのです。
      というのも、それまでの5話に出てくる登場人物のほとんどを登場させ、
      なおかつ、それぞれの話のエピソードを盛り込んで、
      うまーくうまーくつなげているのですから。
      なんという収束力でしょう。ほんと奇跡です。ミラクルです。

      読んだ後、ぜーんぶがつながっている感がすごく心地よくて、
      ほんわかした気持ちになったのですが、
      いざ、じゃ、誰がどうつながっていたかをきちんと説明せよと言われると
      うーん、いろいろありすぎて・・・・答えることができません、となります。
      そこで、紙に書きだしてみようとトライしてみたら、
      これが、もう迷路のような、パズルのような、どうしてもひとつの絵にならないのです。
      そうなると余計に意地になってしまって。うふふふ。
      登場人物の相関図を作ってみることにしました。
      それが、こちらです。よかったらご覧くださいませ。

      一部、わたしの想像も含まれておりますので、その点はご容赦ください。

      ----------------------------------------------------------------------------------------

      愉しいお話をありがとうございました。
      伊坂幸太郎様。


      ----------------------------------------------------------------------------------------

      このページに関する感想等はブログ「紙飛行機文庫」のコメント欄をご利用くださいませ。
      このページに書ききれなかった感想などを、ブログに書いています。そちらもどうぞ。



  • あらすじ <アイネクライネナハトムジーク>

    • 「アイネクライネナハトムジーク」
      モーツァルトが作曲した作品の中でも有名な「小夜曲」をドイツ語で
      「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」と言います。
      直訳すると「ある、小さな、夜の曲」です。(P27より)

      「アイネクライネ」の中で、織田由美が
      「出会いとは、後で思い返してわかるもの」だと言います。
      それは、小さく聞こえてくる、夜の音楽みたいだと。

      この本は、6編の短編が収録されています。
      それぞれ「出会い」がキーワードになっています。
      恋の相手だったり、結婚相手だったり、5年に一度会う人だったり、
      復讐の相手だったり、懐かしい昔の恋人だったり。

      この出会いがあってよかった、
      登場人物たちは皆、そう思っていることでしょう。
      そういうお話でした。

      -----------------------------------------------------------------
       「アイネクライネ」  
         マーケットリサーチ会社の佐藤が、街頭アンケートをする話

       「ライトヘビー」
         美容師の美奈子が、客の香澄から弟を紹介される話

       「ドクメンタ」
         5年ごとの自動車運転免許の更新で、藤間が毎回、同じ女性と出会う話

       「ルックスライク」
         朱美が、いつか自分がサプライズをする側になってみたいと思っていた話

       「メイクアップ」
         高校時代にいじめられていた結衣が、いじめっ子に再会する話

       「ナハトムジーク」
         中学生が、ボクシングの元チャンピオンを応援する話

      ----------------------------------------------------------------

  • 好きな言葉 <アイネクライネナハトムジ―ク>

    • 「アイネクライネナハトムジーク」
      この小説の中にも、いい言葉だなぁと思うフレーズがありました。
      それを、ここに残しておきたいと思います。


      --------------------------------------------

      自分の仕事が一番大変だ、
      と考えるような人間は好きではなかった
                     P13
      「アイネクライネ」
      佐藤の言葉です。


      そうですよね。
      世の中、みんな仕事を分担しているんですもの。
      それがわかっていない人を、わたしも好きではありません。


      --------------------------------------------

      後になって『あの時、あそこにいたのが彼女で本当に良かった』
      って幸運に感謝できるようなのが、一番幸せなんだよ
             P23
      「アイネクライネ」
      織田一真の言葉です。


      「俺、出会いがないって理由が一番嫌いなんだよ」という織田一真です。

      「外見も性格もよく、年齢もそこそこで、しかもなぜか彼氏がいない女が目の前に現れ、
      その女がおまえのことを気に入って、できれば趣味も似ていればいいな、なんてありえねえ」
      「ドラえもんが僕の机から出てこないかな」っていうのと同じだと言います。

      一真の言葉使いはちょっと乱暴だけど、確かにその通り、とうなづけちゃいます。


      ----------------------------------------------

      あの変な旦那も、今となっては、
      スイカにつける塩みたいに思えるようになったよ
              P67
      「ライトヘビー」
      板橋香澄の言葉です。


      友人の由美が、わたしの自慢だと話す香澄です。
      その自慢の由美の旦那さんはスイカにつける塩だとも。
      それを聞いた美奈子は、由美のことを「スイカさん」と言います。

      うふふ。いいですね。
      「スイカ」と「塩」の関係の夫婦ですか。
      なんでその組み合わせなの?って思えるけど、
      実は、塩ってスイカの甘さを引き出してくれるんですものね。
      不思議なようで、ナイスな組み合わせです。


      -------------------------------------------------------

      俺はな、根性はねえけど、野次馬根性はあるんだよ
           P225
      「ナハトムジーク」
      織田一真の言葉です。


      おもしろいですね。一真らしい言葉です。

      「野次馬」というと迷惑に聞こえますけど、
      ときには、こういうセリフをはくことが人の助けになることもあると思います。
      たとえば、いじめを見て見ぬふりをするよりもね。



      ---------------------------------------------------

      昔のものが全部悪いってわけじゃない。
      いいものもあれば悪いものもある。
      現代の流行や常識にだって、いいものと悪いものがある。
        P245
      「ナハトムジーク」
      藤間の言葉です。


      いいものは残り、悪いものはすたれると思うんですよね。
      昔のものでも、現代のものでも。


      ---------------------------------------------------

      親になるのに資格試験がない、というのが恐ろしい
           P266
      「ナハトムジーク」
      織田美緒の言葉です。


      ほんとにねえ。
      親になる資格試験があったら、立派な親ばかりになって、平和になるかもね。
      でも、その後に続く言葉が真実かもしれません。
      「まあ、そんなことになったら親になれる人が全然いなくて
       人類滅びちゃうけどね」

      美緒ちゃん、ナイス!です。


      ---------------------------------------------------

      心を豊かにしてくれる伊坂幸太郎さんの言葉集*名言「本棚のしおり」はこちらです


  • 作品間リンク <アイネクライネナハトムジーク内>

    • 「アイネクライネナハトムジーク」登場人物の相関図を作ってみました。

      わたしの想像も含まれておりますので、あしからず。
      どうぞ、参考程度にご覧いただき、お楽しみくださいませ。
      登場する作品ごとに色分けをしていますが、2作品以上に登場する人物もいます。
      その場合、作成の都合上、わたしの勝手で一作品にしぼらせてもらいました。
      ご理解くださいますようお願いいたします。

      また、未読の方はネタバレを多く含みますのでご注意ください


      -----------------------------------------


  • 単行本 <アイネクライネナハトムジーク>

  • 文庫本 <アイネクライネナハトムジーク>

ページのトップへもどる